こんにちは!シバです。
学校で栄養士として働いてみたいな!
どんな仕事内容なんだろう?
と思っている人へ向けて、今回は委託給食会社の学校での仕事内容を書いていきます。
はじめに:委託給食会社とは
委託給食会社と言うのは、契約先の建物の厨房を借りて食事を作るお仕事をする会社です。そのため、契約先の数だけ働く場があります。
契約先で多いのは病院・老人ホーム・社員食堂・小中学校・幼稚園・保育園・学生寮などで、場所によって働く時間や内容が全く違います。早朝から出勤が必要だったり、土日祝休みがあったり、献立作成の仕事があったりなかったり。一緒に働く人の性別や年齢も変わってきます。
この記事は僕の経験上の話なのであくまでも目安ですが、どんな内容の仕事がしたいのか、自分がどんな人とどういう仕事がしたいのか、理想のライフスタイルに合うのかなどを考える際に参考にしてみてください。
学校での委託給食業務について
対象場所:小学校や中学校
食事提供日:月~金 (基本土日祝は休み)
勤務時間目安:8時~17時(昼食のみ提供の場合。朝・夕も提供する場合は5時~21時くらい)
休みの目安:月8~9回。学校に合わせた休みになるので、年末年始のほか、夏休み・冬休みもあり条件はかなり良い。
職場の性別・年齢層:規模の大きい学校だと1000食を超え、食缶やご飯の窯など重いものを扱うことが多々あるので、全体的に若め。男女ともに20~40代であることが多い。
学校給食の衛生管理はかなりキビシイ
まずお話しておきたいのがこれ。他の業態と違って、「そこまでするの?」と思うくらい、学校給食の衛生管理は徹底して行われています。
エプロン・靴の色分け、履き替え
●エプロンと靴は色分けされており、自分が作業する内容によって変えます。
下記は一例です。学校によって区分と色の決まりは違います。
・青…野菜の洗浄、下処理
・緑…野菜のカット
・赤…肉・魚を扱うとき
・黄色…卵を扱うとき
・白…調理時
・ピンク…配膳時
例えば、下処理室で野菜の洗浄をしているときは青のエプロンと靴を着用しますが、その作業が終わって厨房内で野菜のカットをするときは緑のエプロンと靴に変えます。
作業切り替え時の手洗い
●自分の作業が変わる時には、必ず手洗いが必要になります。
わかりやすく言うと、エプロンと靴の色を変える時です。上記の例で言うと、野菜の洗浄からカットに移るときに行ないます。
作業担当者を決めて衛生強化
●1日の作業工程を考えるときに、作業分担を決めておきます。
例えば、カレーライス・サラダ・フルーツポンチという献立の場合は以下のようになります。
・Cさんはその日に使う調味料を計量し、下処理された野菜があがってきたらそのカットをする。
・Dさんは9時からフルーツ缶を用意し消毒。その後ご飯を炊き、調理の準備をする。
ポイントは、作業者をしっかり分けて食中毒菌の汚染をなるべく広げないようにしているということです。
AさんとBさんは下処理で汚れるので、その日はそのまま汚れる仕事を続けています。
CさんやDさんは、洗われている野菜のカットや消毒・調理など、きれいな仕事をしています。そのため、CさんやDさんが下処理や洗浄に入ることはありません。
学校給食はこのように食中毒菌の汚染を抑えるような工夫をしているのです。
ちなみに、肉や魚、卵などの食中毒菌の汚染源となる食材を扱った人は
手洗いをしたとしても基本的に調理はさせないぞ。
肉などを扱ったら、
その後は下処理や機材の洗浄などの汚れ作業をするんだ。
そこまで徹底するんだ!
だから安心して給食が食べられるんだね。
そのぶん人の数は必要になるが、
食中毒を起こさないことを一番に考えているんだよ。
作業場所の区分け
エプロンなどの区分に関連して、下処理室と調理場はドアで仕切られてきっちり分けられています。
野菜と果物は3層シンクで3回洗う
下処理の時、皮をむくなどの処理が終わったら1層目で洗って2層目へ移し、2層目でも洗って3層目へ。3層目で仕上げに洗って水を切り、厨房のカット担当の人に渡します。3回も洗うのは、虫や異物をしっかり落としたり、腐った部分や食べられない箇所を見つけるためです。
生徒数が多い学校だと、野菜の量がはんぱないんだよな。
じゃがいもや人参30kgとかほうれん草15kgとかよくあるぞ。
それを3回洗うんだよね!?
学校給食の仕事の中で一番大変じゃない・・・?
はっきり言って大変だ。毎日同じ仕事にならないように
メンバーの中でうまくローテーションを組んであげるといいぞ。
委託栄養士の仕事内容
献立作成は学校側栄養士の仕事
最近の給食の献立はいろんな国のメニューがあったり、ちょっと上品なものもあったり、バラエティーに富んでいます。でも、学校給食においては、委託給食会社の栄養士が献立を考えることは基本的にありません。学校側の栄養士の先生や、県や市の栄養士が考えた献立を使います。
じゃあ委託の栄養士はなにをするの?と思いますよね。それを次に説明します。
委託栄養士の仕事内容
委託の栄養士が行なう業務は、主に衛生管理と調理・配膳、食器洗浄、書類作成です。
衛生管理
上記で説明したエプロンや靴の使い分け、人の配置と手洗いの指示などがしっかりできるように注意して調理場全体を見るようにします。
食材納品
仕入れ業者さんが学校に到着したら、納品された食材と納品書が合っているかチェックをします。
納品が終わったら、納品リストにその業者さんが来た時間と納品された各食材の品温、産地、状態などを記入します。リストは学校への提出書類となるので、抜けのないように記入しましょう。
調理
調理は基本的に社員の仕事ですが、従業員の人数によってはパートさんもやるかもしれません。食材の固さや味の調整をしっかりと行ないましょう。学校側の栄養士の先生にも必ず確認を行ないます。
調理が済んだら、時間を見て食缶にとりわけて配缶をします。
配缶
クラスごとの食缶に料理を入れていきます。小学校の場合、学年で量が違うので注意しましょう。
食器洗浄
洗浄の大変なところは、野菜と同じく3度洗いというところです。
食数が1000食、使った食器が5種類あれば、5000個の食器を手洗いで3回洗うんです。更にトレーやスプーン、箸などもすべて3回洗うので慣れないうちは大変だと思います。
終わった後は手がふにゃふにゃになってるよ~
書類作成
学校給食は「当日の全員の作業工程」「仕入先ごとの食材納品の時間・品質」「納品した食材の搬入経路」「健康状態」の記録を毎日行ないます。
特に「当日の全員の作業工程」に関しては、事前に学校の栄養士さんに提出しOKをもらう必要がありますので、早めにつくらないといけません。行き当たりばったりでは作業工程を考えるのは難しいので、1日の中で事務作業の時間がとれるように工夫しましょう。
食材の発注は学校側でやってくれるんだって。
調理・衛生管理・書類作成が
委託栄養士の主な仕事なんだね!
書類は量が結構あるから、勤務時間内で
うまくやりくりできるようにしたいところだな。
学校の栄養士業務で大変なところは、一つは衛生管理の厳しさです。もう一つは食材量の多さ。重いものもたくさん持つことになるので、力仕事OKだと重宝されますよ。
大変なことも多いですが、なにより毎日の子どもの笑顔には本当に励まされます。給食室に来る子どもたちの笑い声と笑顔を見られるだけで十分にやりがいはありますよね。
それに、休日や勤務時間などの条件面でもかなり恵まれています。朝は7~8時からで17時には帰宅できるでしょう。普通の社会人にはない長期の夏休みや冬休みもあります。規則正しく生活がしたい人、休みも多めにほしい人にはこれ以上ない条件だと思います。
以上が学校給食の委託栄養士の仕事内容でした!
他の業態についても書いていますので、よかったら読んでみてくださいね。
*他の業態の記事はこちら
→ 病院
→ 老人ホーム
→ 社員食堂
→ 幼稚園・保育園
→ 学生寮
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