この記事は
・お店でアレルギー対応をしてみようと思うけど、何をしたらいいかわからない
・アレルギー対応の方法について知りたい
という方に向けて書いています。

記事を読むとこれが分かるよ!
・アレルギー表示が必要な食べ物
・お店でのアレルギー対応方法
今では食物アレルギーを持つ人が周りにいないほうが珍しくなってきましたね。
僕自身も桃やいちごのアレルギーを持っていますし、周りにもいろいろな食物アレルギーの方がいます。昔に比べて、相当数が増えているように思います。アメリカでは1200万人もの食物アレルギー患者がいるそうです。
2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックと立て続けにビッグイベントが控えている日本。間違いなく、今後お店でのアレルギー対応の需要は増えていくでしょう。
もしこれからお店で食物アレルギー対応をしたいという方がいたら、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
はじめに:食物アレルギーとは

まずはじめに、食物アレルギーについて簡単に説明します!
※興味ない人は飛ばしてOKです!
アレルギーが起こる仕組みと原因
アレルギー反応の仕組みをすごく簡単に言うと
2.異物を排除するため免疫システムが反応
3.アレルギー症状が起こる
このような流れで食品が「異物」として認識され、発症します。
異物として認識されるタンパク質は、人によって違います。
牛乳が異物と認識される人もいれば、小麦が異物として認識される人もいます。
牛乳アレルギーの人が小麦を食べても発症しないのは、牛乳に含まれるタンパク質のみ異物としてアレルギー反応を起こすからです。
アレルギー表示する必要のある食品について
アレルギーの元となる食品(アレルゲンといいます)ですが、外食店舗・宿泊施設での料理提供や対面販売の場合は、表示義務はありません。
・缶、瓶、ペットボトルなどに詰められている加工食品
・箱や袋などに包まれた加工食品
にアレルゲンが含まれている場合は、食品表示法に沿った表示をするよう定められています。

アレルギー表示義務がないのは
・外食店舗や宿泊施設での料理提供
・対面販売
だよ!

アレルギー表示義務があるのは以下の通り!
●アレルギー表示義務があるもの
「缶、瓶、ペットボトルなどに詰められている加工食品」
・ジャム
・ジュース
・調味料 など
「箱や袋などに包まれた加工食品」
・パン
・コンビニ弁当
・スーパーの惣菜 など
アレルギー表示を検討する食品は27個ある
アレルゲンとなる食品のうち、上記の加工食品に表示を検討する食品は27品目あります。(2018年10月時点)
その中で発症者数が多かったり重症度が高い7品目は、表示が義務付けられています。
残りの20品目は表示義務はなく、表示推奨とされています。

表示義務「あり」の7品目はこれ!

表示「推奨」の20品目はこれだ!この20品目は、表示してもしなくても大丈夫だ。
レストランや宿泊施設などでのアレルギー表示の需要は多い

本題に戻るよ~
ここまでお読みいただいた方の中で、外食店舗や宿泊施設ではアレルギー表示義務はないから表示しなくてもいいかも・・・と思った方もいるでしょう。
確かに必須ではないのですが、アレルギー表示があることで来客が増えるかもしれません。
その理由は、アレルギー対応がされているファミリーレストランやホテルは増えてきているものの、食物アレルギーのある人が行けるお店は多くはないからです。
そのため、お客さまにとってアレルギー表示をしてくれるお店があることは大きなメリットですし、安心につながります。
実際、小麦アレルギーのある僕の友人は行けるお店がほとんどなく、仕事で疲れていても毎日ご飯を作らないといけなくて大変だ。近くに食事できるお店があったらめちゃくちゃ嬉しいのに、とこぼしていました。
この友人と旅行に行く時は、ホテルや旅行先の食事で食べられるものがあるかをしっかり確認してから行きます。そんなときにアレルギー表示がしっかりしているお店や宿泊施設があると、とても安心して旅行ができます。
しかしながら、個人店でアレルギー表示をしていることはほとんどありません。お店側からしたら手間なので、仕方のないことだと思います。
ですが、「ここはアレルギー表示が出来ているお店だ!」という評判が増えれば、お客さんが増えるチャンスになります。
なぜなら、アレルギー持ちの方の場合は、友達と食事をするのでも自分が食べられるものがあるか確認をしながらお店選びをしなければならない苦労があるからです。
個人店であってもアレルギー表示ができていれば、アレルギー持ちの方は食事の選択肢が増えて嬉しくなります。お店側としても、顧客獲得のチャンスが増え、win-winの関係になり得るのです。

お店としては大変だけど、アレルギー表示や対応ができるだけで集客効果があるよ!
参考)食物アレルギーを持つ人はどれくらいいる?
我が国における食物アレルギー体質をもつ方の正確な人数は把握できていませんが、全人口の1~2%(乳児に限定すると約10%)の方々が何らかの食物アレルギーを持っているものと考えられています。
引用元:厚生労働省 食品安全部
上記は厚生労働省HPからの引用ですが、アレルギーを持つ人は
と記載があります。
日本の人口は1億2000万人(2017年)なので、120~240万人が何らかの食物アレルギーを持っていると推測されますね。あなたの周りにもアレルギーを持つ人はいるでしょうか?
お店でのアレルギー対応方法
それでは、もしあなたのお店でアレルギー対応をしようと考えた場合、なにをすれば良いのでしょうか?
全てのメニューでアレルギー対応するのは現実的に難しいと思いますので、出来る範囲で行なえることを考えてみましょう。
例えば、
【 ケーキ 】 卵を使用しないで、牛乳やバターを増量+ヨーグルトを入れて代用
などです。
上記で言えば、小麦アレルギー対応の揚げ物があれば、小麦アレルギーの方はお店に入ることができます。

これだけで、小麦アレルギーの人はあなたのお店に入る理由ができるぞ
もしアレルギー対応をしているものがあれば、店頭の看板やホームページに記載しておくとわかりやすくていいでしょう。
ただし、お店でのアレルギー対応を行なう場合は細心の注意が必要です。
食物アレルギーは人によって症状の重さが違うからです。少しなら平気、という人もいれば少量で重篤な症状が出る人もいるのです。
小麦アレルギーの人で言えば、うどんなど小麦そのものは食べられないけど醤油に含まれるくらいの小麦なら大丈夫、という場合があります。(逆に、醤油でも症状がでる人もいます)
そのため、アレルゲンが入っていないことが確実に確認できない場合は、メニューや口頭で正直にその旨を伝え、お客さま自身に判断してもらうことが大切です。お店として、曖昧にしてはいけません。
例えば、メニューに”留意事項”として以下のような文章を載せておくことは有効です。
・ご提供する料理は、完全なアレルギー対応メニューではございません。ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

こんな記載があったら、お客さん自身が「少しなら食べて大丈夫」って自分でわかっている場合は食べるし、「少しでもだめ」な場合は食べないって判断ができるね!

そうだ。その判断基準を伝えてあげることがポイントになるぞ。
とは言え、できるだけ症状を起こさないためには、
・調理方法や食品に含まれるアレルゲンを確認して
・適切な食材選びや調理、提供方法を理解
する必要があります。
以下にアレルギー対応の際の基本知識を書きますが、もしアレルギー対応を考える場合はあなただけで決めずに、アレルギーメニューの対応経験のある専門家に相談するのが良いでしょう。
調理のときの注意点
アレルギー事故を防ぐには、調理時、以下の3点について注意が必要です。
・調理時、別の料理からの混入を防ぐ
・調理器具や食器は、スポンジを分けてよく洗う
●原材料表示をしっかり確認

調理の前に、食材の原材料表示をしっかり見よう!
原材料表示を見るとわかるのですが、例えば小麦は、前述した醤油やドレッシング等にも入っている可能性があります。小麦を使っていないように見えても使っていることがよくあるのです。
使う食材に対応するアレルゲンがないか、パッケージにある原材料表示をよく確認しましょう。
●調理時、別の料理からの混入を防ぐ

微量でもアレルゲンが混じってしまわないか、厳しくチェック!
小麦を使わないようにして作った唐揚げの横で、他の揚げ物に小麦粉をつけていたらどうなるでしょうか。もしかしたら、その小麦粉が唐揚げにかかってしまうかもしれません。
また、小麦粉を使った揚げ物をしたあとの油で小麦粉なしの唐揚げを揚げた場合も、油を通して小麦粉の成分がうつってしまいます。
これでは、せっかく小麦を使わない唐揚げを作ったのにその意味がなくなってしまいますよね。
そうならないよう、
・場所があれば、作業場所を別にする
などで対応するようにしましょう。
オーブンなどで調理する場合も、中でアレルゲンが混入しないように蓋をしたり別で調理することが必要です。
調理器具や食器は、スポンジを分けてよく洗う
普通の洗い物とスポンジは、しっかり分けて洗うことを心がけましょう。
アレルゲンのついたスポンジでアレルギー対応用の食器などを洗ってしまうと、そこにアレルゲンがついてしまう可能性があります。
また、使った鍋や食器がちゃんと洗えていないとアレルゲンが残っている場合がありますので、併せて注意しましょう。
おわりに:アレルギー対応をしっかりしているお店は需要あり
僕がこの記事を書こうと思ったのは、最初に書いた通り、日本開催されるラグビーワールドカップやオリンピックで今後需要が増すことが想定されるからです。
それだけでなく、アレルギー症状を持つ人が外食や宿泊先での食事が満足にできない現状があるので、アレルギー対応ができるお店が少しでも増えたらいいな!という個人的な気持ちもあります。
今の食物アレルギー専門の飲食店は、値段が高くて普段使いが難しいという意見が多いです。
普通のお店だけどアレルギー対応メニューもあるよ!というお店が増えるといいのかなと思っています。
そうすれば、アレルギーのある人もない人も同じお店で一緒にご飯が食べられる。お店としてもお客さんが増えて、お互い幸せだなぁと思います。
ただ実際に普通のお店でアレルギー対応をしようと思ったら、この記事の内容をお店にあわせてメニュー選定から調理方法までじっくり考える必要があって、結構大変だと思います!
それでも、もしやってみたいという人がいたらお問い合わせページからご連絡ください!出来る範囲で対応させていただきます。
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実際にアレルギー対応をしているお店を見て勉強するのも一つの手です。
気になるお店があったら足を運んでみてはいかがでしょうか?
【新宿駅西口】アレルギー対応や表示ありのレストラン・バーなど10選

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またね!
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